大 塚 久 雄 ・ 略 年 譜

 

1907年5月3日 京都市に生まれる。

1920年4月   京都府立京都第一中学校に入学。

1924年4月   第三高等学校文科乙類に入学。

1927年4月   東京帝国大学経済学部に入学。

1928年6月   無教会主義キリスト者内村鑑三から洗礼を受ける。

1930年4月   東京帝国大学経済学部助手。

1933年4月   同上 助手を終え、立教大学、中央大学で教える。

1934年4月   法政大学講師。

1935年4月   法政大学経済学部助教授。

   5月   岡崎貞子と結婚。

1938年2月   『株式会社発生史論』(有斐閣)

   4月   法政大学経済学部教授。

   12月   『欧洲経済史序説』(時潮社)

1939年4月   東京帝国大学経済学部講師。

   8月   同上 助教授。

1940年9月   社会経済史学会理事。

1941年6月   疲労が重なった折、バスを降りる際に左膝を捻挫、関節炎を起こし徐々に悪化。長期の仰臥生活を強いられる。

1943年1月   病状悪化し、左足上腿部の中ほどから切断。

1944年2月   『近代欧洲経済史序説 上巻』(時潮社)

   3月   神奈川県与瀬に疎開。同地に疎開した、飯塚浩二、川島武宜、鈴木圭介らと交流し、後年「与瀬グループ」などと呼ばれる。

1947年4月   東京帝国大学経済学部教授。

   4月   『近代資本主義の系譜』(学生書房)

   6月   胸部疾患と診断、10月手術を受ける。

   11月   「毎日出版文化賞」(毎日新聞社・第一回、『近代欧洲経済史序説 上巻』再版・1946年8月、日本評論社に対し)受賞。

1948年1月   『近代化の歴史的起点』(学生書房)

   3月   『近代化の人間的基礎』(白日書院)

   5月   『宗教改革と近代社会』(みすず書房)

   5月   土地制度史学会理事。

1949年2月   三度目の胸部手術。以後結核は全快したが、肺活量は元にもどらなくなる。

1951年7月   経済学博士の学位を得る(主論文『株式会社発生史論』、副論文『近代欧州経済史序説 上巻』)。

1955年3月   梶山力と共訳、マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 上巻』(岩波文庫)

   7月   『共同体の基礎理論』(岩波書店)

195611月   『欧洲経済史』(弘文堂)

1959年4月   張漢裕と共訳、マックス・ヴェーバー「儒教とピュウリタニズム」(国際基督教大学アジア文化研究委員会)

1960年5月   高橋幸八郎、松田智雄と共同編集『西洋経済史講座』全五巻(岩波書店,1962年4月完結)

1961年8月   第二回国際経済史学会(於エクス・アン・プロヴァンス)に出席、「農村工業と職人」部会で報告。

   11月   「東西文化の交流における宗教社会学の意義」(武田清子編著『思想史の方法と対象』創文社所収)

1962年8月   梶山力と共訳、マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 下巻』(岩波文庫)

   8月   日本学術会議会員に選出される。

1964年12月   マックス・ヴェーバー生誕百年記念シンポジウム(於東京大学)を企画。

   12月   経営史学会理事。

1965年4月   『国民経済 その歴史的考察』(弘文堂)

   11月   編著『マックス・ヴェーバー研究 生誕百年記念シンポジウム』(東京大学出版会)

1966年4月   国際基督教大学客員教授。

   9月   『社会科学の方法』(岩波新書)

1968年2月   告別講義「十五世紀イギリスにおける前期的資本の没落」

   3月   東京大学経済学部教授を停年退職。

   5月   東京大学名誉教授。

   5月   編著『西洋経済史』(筑摩書房)

1969年1月   『大塚久雄著作集』全十巻(岩波書店、1970年2月完結)

   11月   日本学士院会員に選ばれる。

1970年4月   国際基督教大学教授。

   6月   監訳、トマス・C・スミス『近代日本の農村的起源』(岩波書店)

1971年1月   「朝日賞」(朝日新聞社)を受賞。

1972年10月   生松敬三と共訳、マックス・ヴェーバー『宗教社会学論選』(みすず書房)

1973年12月   編著『後進資本主義の展開過程』(アジア経済研究所)

1975年11月   文化功労者 として顕彰される。

1976年10月   Max Weber on the Spirit of Capitalism, translated by M. Kondo (Institute of Developing Economies)

1977年6月   『社会科学における人間』(岩波新書)

   11月   勲二等旭日重光章 を叙勲。

1978年3月   国際基督教大学教授を停年退職。

   4月   同上 客員教授。

   4月   『生活の貧しさと心の貧しさ』(みすず書房)

1979年1月   『意味喪失の時代に生きる』(日本基督教団出版局)

1982年7月   The Spirit of Capitalism : the Max Weber Thesis in an Economic Historical Perspective, translated by M. Kondo (I wanami Shoten, Publishers)

1985年2月   最終講義「オランダ共和国の経済的衰退とその諸原因 —一つの比較史的研究—」。

   3月   国際基督教大学客員教授を辞す。

   4月   『大塚久雄著作集』全十三巻(岩波書店、1986年4月完結)

1986年2月   貞子夫人死去。

1988年4月   マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波書店、単独訳)

1992年11月   文化勲章 受章。

1994年4月   『社会科学と信仰と』(みすず書房)

1996年7月9日 老衰のため自宅にて永眠(89歳)。

 

(上野 正治)