『書燈』 No.26(2001.4.1)

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図書館は「情報の宝庫」 —カウンターの内側から—
地域政策科学研究科 鈴木 実

 福大に来て、図書館のカウンターの仕事をするようになって2年が過ぎました。そのおかげか、自分自身の図書館に対する考え方が、ずいぶんと変わりました。これまでの私の図書館利用の仕方を省みると「ずいぶんと損をしていたなぁ」と感じずにはいられません。

 皆さんは図書館が提供してくれるサービスを有効に活用しているでしょうか。「本がねーよ」って言って、あきらめたりしていないでしょうか。もし探しているものが見当たらないときは、福大図書館が他の図書館から借りて、それを皆さんに貸出したり、複写をしてくれたりもするのです。なにかと便利です。皆さんは、図書館が提供するサービスを有効に利用する権利があります。そういったサービスを大いに活用してください。もちろんそのためには、図書館利用のマナーを守るとか、最低限の義務もありますが…。

 また、そんなサービスだけでなく、図書館は「情報の宝庫」なのです。ひとつ所に居ながら、関連する情報を芋づる式に捉まえていける場所というのは、他にはなかなかありません。歴史的な知見から最新の情報まで一度に手に入るという、面倒くさがりの人には最適な場所なのです。つまり図書館は、自分の知識を拡充していく作業、自分の世界観を広げていくことが出来る場所です。レポートを書く、卒論を書くというような特別の時だけに限らず図書館を訪ねてきてください。図書館が提供する豊富な知識と情報に日頃から触れていれば、もっともっと面白い論文なんかが書けると思いますよ。

 多くの「モノの見方、感じ方」を知ることは、それだけ自分が豊かになるわけです。本はその手助けをしてくれます。あるモノゴトを、狭量で一面的に捉えていると、対象を十分に理解することが出来なくて、その良さが判らなかったりするかもしれません。それでは世の中面白くありません。日常には面白いことがたくさんあふれています。それを面白いと感じるには豊かな世界観が必要でしょう。図書館を最大限利用して、自分を広げていって下さい。

 図書館のカウンターから、微力ながらそのお手伝いをしていきたいと思っています。ただ、すごく難しいことは昼間に行ってください……。

 

gakujo@lib.fukushima-u.ac.jp

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