福島大学附属図書館報 『書燈』 No.29(2002.10.1)

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電子ジャーナル“元年”
学術情報係

  本館における電子ジャーナルの利用は、平成12年度に始めたElsevier Science 社のScience Direct Web edition が最初になります。その後、国立情報学研究所が提供するOUP(Oxford University Press)電子ジャーナルの試験利用に参加し、どちらも現在まで継続利用されています。これらは冊子体雑誌を購読していることによる付加サービス、あるいは今後の本格導入のための試験的な利用であって、いずれの場合も経費の負担がなく、また利用できるタイトル数も限られており、“電子ジャーナルを導入している”とはまだいえない状況でした。

  今回、契約した下記4種の電子ジャーナルは初めて有料のもので、利用できるタイトル数は従来のものと合わせると約1,500誌以上になります。

 【導入電子ジャーナル名】
 ・Blackwell Publishers(SSH コレクション)約260誌
 ・Blackwell Science(STM コレクション)約420誌
 ・Springer-Verlag LINK 約500誌
 ・Wiley InterScience 約300誌

  必要な雑誌が充分そろっているとはいえず、また課題もあるにせよ、とりあえず本館における電子ジャーナル“元年”と呼んでいいかもしれません。
  当係では、今回の導入にあたり、7月末に教官、大学院生を主な対象者として利用法についての講座を開催しました。夏休みに入った時期にもかかわらず、多くの参加者が熱心に耳を傾けていました。この講座は今後も継続して開催する予定です。

  現在、出版界における雑誌の電子ジャーナル化は外国雑誌が中心ですが、日本においても学会などの専門誌を中心に電子化が進みつつあります。“スピーディーで”“時間、場所を問わない”“検索もできる”「電子ジャーナル」が冊子体雑誌に取って代わる日も遠くないかもしれません。しかし、予算の問題、アーカイブ機能の問題など解決すべき課題もあります。“元年”の今年は、今後の充実に向け本格的に検討する年でもあります。

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