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  推薦文一覧 (H21年度)
  1-1.推薦者: 高谷 理恵子

Mind hacks : 実験で知る脳と心のシステム
   Tom Stafford, Matt Webb著 ; 夏目大訳. オライリー・ジャパン, 2005. ...OPAC確認
  

請求番号:491/St1m

先生からの推薦文
 人間の「脳」と「身体」について、様々なアイディアが生かされた実験を通して、理解することができます。各トピックスは、脳科学を基にした基礎的な知識、「やってみよう」という簡単な実験とその解説で構成されています。紹介された実験は簡単に実行できるものや、Web上の動画や資料を用いて体験できるものばかりですから、実際に不思議な世界を楽しめることと思います。関連文献や資料なども紹介されているので、面白いと思ったトピックスについて、さらに深く調べていくことも可能です。どこから読んでもOK。面白そうなところだけをつまみ読みしても、十分楽しめると思います。脳科学や心理に興味のある方にお勧めです。
 
 
  1-5.推薦者: 木村 吉幸

ハチはなぜ大量死したのか
   ローワン・ジェイコブセン著 ; 中里京子訳. 文藝春秋, 2009 ...OPAC確認

請求番号:647.5/J12h

先生からの推薦文
 「ハチが消えた 巣箱という巣箱を開けても働きバチはいない。残されたのは女王バチと幼虫そして大量のハチミツ。06年秋,北半球から四分の一のハチが消えた・・・」で物語が始まる。動的な平衡状態にある自然界では,極めて精妙な均衡が保たれていなければならないが,その微妙な動的な平衡状態に周囲から孤立した「部分」が生じると,最初は小さな問題であっても,それはやがて全体に波及し,動的な平衡状態の致命的な崩壊につながる可能性が高くなると解説者(福岡伸一氏)は述べる。この書の原題は「実りなき秋」で,アメリカのミツバチのあいだに急速に拡大しつつある奇妙な病気である「蜂群崩壊症候群(CCD)」について克明に書かれているが,単にハチの奇病についての報告だけではなく,花蜜を集めるミツバチと蜜を提供する植物の間の共生関係に起きている(人為的な)問題を追及した,環境問題に関する極めて優れた告発の書となっている。
 
  3-1.推薦者: 林 正

遠距離交際と近所づきあい : 成功する組織ネットワーク戦略
   西口敏宏著. NTT出版, 2007 ...OPAC確認

請求番号:361.3/N81e

先生からの推薦文
 個人や組織の繁栄は、そこにいる人の努力や能力によってのみ決定されるわけではない。その人をとりかこむ周囲の人びとや、外部の組織との繋がり方によっても、運命は大きく変わる。単に運がよく繁栄しているように見える個人や組織も、意識していなくても、実は周囲との繋がりに関する何らかの法則性に則して意思決定し、行動している可能性がある。本書はその法則性に対して、世界各地の事例を用いて迫る、ネットワーク研究の入門書である。
 
  4-1.推薦者: 稲森 悠平

最新環境浄化のための微生物学
   稲森悠平編. 講談社, 2008. ...OPAC確認

請求番号:519/I53s

先生からの推薦文
 
本著書は、21世紀の環境の世紀においてバイオ技術としての生物処理の活性汚泥、エコ技術としての植生・土壌浄化等のバイオエコシステムで環境保全・再生に大きく貢献する細菌、藻類、原生動物等の微小後生動物、ワムシ・ミジンコ・水生ミミズ、微生物の機能・役割の基本と実用システムへの応用展開についての教育図書であり、ここに推薦する。
 
  4-3.推薦者: 小山 純正

ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ : ハイテク海洋動物学への招待
   佐藤克文著. 光文社, 2007. -- (光文社新書 ; 315) ...OPAC確認

請求番号:481.7/Sa85p

先生からの推薦文
 
最近開発された特殊な機器をさまざまな海洋動物に取り付けて、海水中での動物の活動の様子を調べたというお話。その結果、表題のような法則や、ある状況で、鳥は変温動物であったり、カメは恒温動物であったりする・・など、教科書を書き換えるような発見が続出。その辺のあまり細かいことは理解できなくても、フィールド(主に南極)での実験中の苦労話や裏話だけでも面白いし、既成の学問の枠に囚われない著者の大胆なアプローチは、何かに取り組むときの元気の源にもなるかも。
 
  4-6.推薦者: 小山 純正

文明としての教育
   山崎正和著. -- 新潮社, 2007. -- (新潮新書 ; 241)...OPAC確認

請求番号:370.4/Y48b

先生からの推薦文
 
中央教育審議会の会長でもある著者が、教育とはどうあるべきかについて、古今東西の文明との関わりを基に唱える教育論ですが、学ぶ者としてこの書を読むと、これは、“学ぶ”ということについての強いメッセージです。 特に、終戦直後の満州で著者が受けた教育を著者は、「教育の原風景」と述べていますが、それは、“学ぶこと”の原点でもあります。大学で何を学ぼうか、とほんの少しでも考えたことのある人には、このわずか10数ページの序章だけでも、ぜひ読んで欲しいと思います。