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  推薦文一覧 (H23年度)
  1-1〜1-6.推薦者: 生島 浩

講座 臨床心理学 全6巻
   下山晴彦・丹野義彦 編 -- 東京大学出版会, 2001. ...OPAC確認

請求番号:146/Sh55k/1-6

先生からの推薦文
 
大震災で子どもの心のケアが叫ばれ,スクールカウンセラーの重要性が再認識されていますが, その理論及び実践の基盤を提供する臨床心理学の社会的需要が日増しに高まっています。本大学院 の学校臨床心理専攻臨床心理領域は,臨床心理士養成大学院に指定されていますが,学生のなかにも, 目指す人は少なくないでしょう。
   本講座は,臨床心理士の社会的責任が強まっている今日,それに応える新たな枠組みや体制整備の 方策を提示するものとなっています。キーワードは,「実証性」と「実践性」,「異常心理学」 「発達臨床心理学」など全6巻から構成され,「社会臨床心理学」の巻では,推薦者が「司法・矯正領域 における活動モデル」を執筆しています。
   不登校・発達障害・非行・自傷行為など臨床心理学がアプローチする課題に関心を寄せる多くの学生 に読んでいただきたいと願っています。  
 
 
  3-1.推薦者: 遠藤 明子

コトラーのホスピタリティ&ツーリズム・マーケティング
   フィリップ・コトラー, ジョン・ボーエン, ジェームズ・マーキンズ著 ; 平林祥訳.
      -- ピアソン・エデュケーション, 2003.  ...
OPAC確認

請求番号:673.9/Ko93k

先生からの推薦文
 タイトルの「ツーリズム」とは「観光」、「ホスピタリティ」とは「おもてなし」のことです。 くしくもここ数年、「おもてなし」は、日本の観光業やサービス業において(製造業においてさえ!) キーワードの1つとして注目されています。このことは、過去、高度経済成長の中で必ずしも「おもてなし」 を重視しなくても儲けられたこと、そしてそうした過去の方法が立ち行かなくなったことの裏返しといえます。
      この本はマーケティング論の世界的な権威である、フィリップ・コトラー教授が、ホスピタリティ分野の 専門家とともに、ホスピタリティおよび観光におけるマーケティングの考え方を体系的に整理したものです。 の分野の文献は、個別の成功事例が語られるだけで、体系性に欠けているものが多いので、貴重な文献といえます。
      当たり前のことですが、この本を読んだからといって、すぐにおもてなし精神にあふれるサービスが可能になる わけではありません。しかし、実務家が日々の実践の中で断片的に散らばっていたアイデアを整理し、次なる打ち 手を考えていくための枠組みとして、有益なテキストです。もちろん、観光やサービス業に関心のある学生の皆さ んにとっても、ゼミや卒業研究において大いに役立つでしょう。
 
  3-9.推薦者: 沼田 大輔

拡大生産者責任の環境経済学:循環型社会形成にむけて
   植田和弘, 山川肇編. -- 初版. -- 昭和堂, 2010. ...OPAC確認

請求番号:518.5/U48k

先生からの推薦文
 環境政策において、近年、製品の使用後の回収・処理責任を、製品の製造主体が負うことが求められてきている。 このことを一般に拡大生産者責任と言う。これまで、OECD(経済協力開発機構)をはじめ、様々なところで、この拡大 生産者責任が活発に議論されてきているが、それらの議論を十分に網羅した書籍はこれまでなかった。
     本書は、この拡大生産者責任について、様々な事例の検討、および、経済理論を駆使した分析などをもとに、多様 な角度から網羅的に考察している。この本の目次を少し眺めてみるだけでも、読者は、拡大生産者責任の議論の奥行 き・幅広さ、環境問題における経済学の果たす役割の一端を知ることができるだろう。ボリュームがある本であり、 すべて読むのは大変だが、目次だけでも眺めて、興味のある箇所を読んでみるという形で少し手にとってみてほしい。 経済学に関心のある読者のみならず、社会システムに関心のある理工系の学生にも参考になるはずである。本書を通 じて、使用済み製品の回収・適正処理を通じた環境保全に関心のある読者の参考に少しでもなればと思う。
 
  4-1.推薦者: 大山 大

最新グリーンケミストリー : 持続的社会のための化学
   御園生誠, 村橋俊一編. -- 講談社, 2011. . ...OPAC確認

請求番号:434/Mi53s

先生からの推薦文
 
本書は,2001年に刊行された「グリーンケミストリー」の改訂版である。グリーンケミストリーは,環境にやさしく, 持続的社会を支える化学のことであり,その実現を目指した化学者や技術者の活動をも含む。これまでのグリーンケ ミストリーは,環境負荷や化学リスクの軽減に重点が置かれていたが,今後は積極的に生活を豊かにする製品やサービ スの提供も必要となるだろう。本書により,最新のグリーンケミストリーを理解し,今後の持続的社会に貢献する化学のありかたを考えることができる。
 
  4-3.推薦者: 大山 大

光合成の光化学 = Photochemistry in photosynthesis
   山崎巌著. -- 講談社, 2011. ...OPAC確認

請求番号:431.5/Y48k

先生からの推薦文
 
植物の光合成は究極の光化学反応である。光合成は古くから盛んに研究されてきたが,近年ようやくその全体像が見え 始めてきた。本書は,光合成反応全体のメカニズムをコンパクトにまとめたものであり,光合成がいかに優れた反応で あるかが理解できよう。また本書は,光合成の原理に基づいた資源・エネルギー問題解決への指針についても言及して おり,光化学という狭い学問領域にとどまらない内容となっている。
 
  4-4.推薦者: 増田 正

バリアフリーのための福祉技術入門
   後藤芳一編著. -- オーム社, 1998....OPAC確認

請求番号:369.27/G72b

先生からの推薦文
 
高齢化社会への対応や障害者の自立に向けて、福祉機器の活用が期待されています。この本では、個々の福祉機器に ついても幅広く、また詳しく記載されていますが、それに加えて、福祉機器をとりまく社会環境やこれまでの経緯に ついてもまとめられていますので、福祉機器の全体像を知るのに適しています。また、最後の章では、産業としてみ た福祉機器に関する記述があり、福祉機器を別の観点から考えることができます。
 
  4-5.推薦者: 増田 正

福祉工学による生活環境支援:福祉を拓くテクノロジーの世界
   徳田哲男著. -- 日本出版サービス, 2006....OPAC確認

請求番号:369.27/To35f

先生からの推薦文
 
福祉機器は体の不自由な方が生活しやすくするための単なる道具ではなく、表現の自由や、職業選択の自由、居住の 自由などの基本的な人権を実現するための手段でもあります。この本では、個々の福祉機器ではなく、福祉機器を支 える基本的なデータや環境,設計思想について、著者の考え方に沿って詳しく述べられています。